2026年夏、夏特(シャータ)神話の世界へ

10年来の友であり、中国天津市を拠点にアウトドアインストラクターや講師として活動する趙氏から誘われたのを機に、私たち「夏特(シャーテ)」へ向かった。

夏特古道は、中国新疆ウイグル自治区の伊犁(イリ)ハザード自治州昭蘇県に位置する、シルクロード屈指の難所でありながら、現在は「神々の庭園」と称される絶景の秘境。

伊犁空港まで青島から飛行機を乗り継いで約10時間、そこからレンタカーを借りて更に3時間のドライブ。

本格的なロングトレッキングの出発時点までさらに1時間(28km)の専用シャトルバスに乗車。

今回は、雄大な景色を拝むことの他に、新作テント「Enran 2」のフィールドテストも兼ねた、6日間、1日10〜15kmの行程を走破。

夏特なら、ありとあらゆる気象条件の中で、Enran2の真価を試すことができるはずだ。

私たちの旅は、北から南へと進む「正穿(順ルート)」をとった。

雪山側から入って草原へと抜ける「反穿(逆ルート)」もあるが、私たちは緑豊かな草地から歩みを進め、徐々に白銀の頂きへと近づいていく道を選んだ。

雪山は木扎爾特氷河(ムザール氷河)、新疆ウイグル自治区天山山脈西部に位置する、広大で険しい大規模な氷河。

景色は1日ごとにその美しさを増し、ちょうど季節を迎えた野生の花々が、絨毯のように山肌を埋め尽くしている。その圧倒的な生命力に、何度も心を揺さぶられた。

4日目、山は牙を剥いた。激しい雨風が吹き荒れ、視界を濃霧が覆い尽くす。

「Enran 2」は何のトラブルも起こさず、荒天を完全にシャットアウトしてくれた。過酷な全天候型の環境下でも、内部はいたって快適。

体力を削られることなく、常に最高のコンディションを維持できた。

ちなみに、同行した于はPreTentsのカスタム「Scout」を使用。

道中、この地に生きるカザフ族やウイグル族の牧民たちに出会った。

言葉を交わし、彼らの暮らしや風土に触れ、それは観光地を巡るだけでは決して得られない、旅の深い味わいだった。

山を歩く上で、避けて通れないのが川渡りだ。

水深が深く、何よりも凍えるほど冷たい激流が、行く手を阻む。人がそのまま渡れば、一瞬で押し流されてしまう危険な場所では、地元の牧民に少しの対価を払い、馬を借りて対岸へと渡らせてもらった。

もちろん、自力で渡れる小川のために、防水シューズや防水ソックスといった足元の装備は万全に整えてある。

私のハイキングスタイルは、目的地に固執しない。

「今日は何キロ歩かなければならない」、「必ずあそこでキャンプする」などの義務感を一切排除している。

私はただ、ただ自然体で自然を感じたい。

どれほど体力が残っていようと、魂を揺さぶられるような絶景に出会えば、そこで足を止めてテントを張る。

そこに留まり、景色と一体になる時間こそが贅沢なのだ。

最高の瞬間は、最後の2日間に待っていた。

私たちはついにスノーラインを越え、白銀の世界へと足を踏み入れた。

それは誇張でも何でもなく、まるで「天国を散歩している」かのような、浮世離れした美しさだった。

足元に広がる厳しくも美しい自然、信頼できる友、そして過酷な環境で身を守ってくれた確かなテント、この6日間の記憶は、私の心に深く刻まれている。

Journaled by Wang

Translated & Text by Jeffrey